「~やってみた」第二弾。
なんとも流行に乗っかった感のあるタイトルだが、やっている内容はマニアックこの上ない。しかしながら、海外で長期間生活する方には是非とも知ってもらいたい内容である。
特別郵袋印刷物
「そもそも、どう読むのだこれは」
と思った方も多いだろう。僕も全く知らなかった。
郵便局の職員も、「そういえばそんなものあったな…」くらいの認識だろう。
スタバでいうところの、「ブレべ」の様な存在だ。
読み方は…
「とくべつ ゆうたい いんさつぶつ」
どういったものなのかというと、その名の通り、「特別」な「郵」便につかう「袋」に「印刷物」を詰め込んで送る送り方だ。
特徴としては、印刷物しか送れないものの、30㎏(英国、スイスなどは20㎏)までなら、通常よりはるかに安く送ることができるのだ。
印刷物とは、書籍やダイレクトメール、二部以上のワープロなどで作成した書類だ。
特別郵袋印刷物は実際どのくらい安い?
例として大阪からチェコに10㎏の書籍を送るとする。
配送方法は三種類。
- 航空便
- SAL便
- 船便
まず、通常の「荷物」として10㎏送った場合。
- 航空便 17,650円
- SAL便 12,550円
- 船便 6,750円
次に特別郵袋印刷物で10㎏送った場合。
- 航空便 9,000円 (8,650円OFF)
- SAL便 8,100円 (4,450円OFF)
- 船便 4,450円 (2,300円OFF)
このように、印刷物のみという縛りがあるものの通常の発送方法よりかなり安く送ることができる。
3種類の配送方法
これは特別郵袋印刷物に限った話ではないが、海外に荷物を配送する際は3種類の方法がある。
- 航空便
この3種類の中では最速。文字通り飛行機で発送。チェコに10日前後で到着する。
- SAL便
航空便より少し遅く、船便よりだいぶ早い。差出国と到着国では船便として扱い、発送は航空便の空きスペースを利用する。取り扱っている国が限定される。チェコに2~3週間で到着。
- 船便
料金は断トツで安いがかかる時間も断トツで長い。しかも、1~3か月と、いつ届くのかも分からない。
このほかにもう一種類、EMS便というものがある。一番高額な発送方法だが、2~3日で着く。こちらは通常の小包であっても特別郵袋印刷物であっても料金は同じのようだ。
EMS便はともかく、ほかの配送方法は到着する日数は目安でしかなく、待てども待てども来ないこともあれば、思いのほか早く到着することもある。
急ぎの場合、EMS便を利用するのがいいだろう。
特別郵袋印刷物の送り方
ここからは、実際に発送する手順を紹介しよう。
箱詰め
「郵袋」に入れて送るといっても、そのまま本を入れるわけではなく、段ボール箱に入れてそれを郵便局に持っていく。その箱を局員が「郵袋」に入れて発送してくれる。
梱包の注意点を挙げると…
まず、前提として、あなたの大切な本は乱雑に取り扱われる。帯付きの初版の本であっても平気で折り曲げ、本の間に本を挟み、帯を破ったりする。
制限が30㎏であるからと言ってあまり制限ぎりぎりまで本を詰め込むと税関で引っ掛かり、箱を開けられ、帯を破られ、挙句ややこしい手続きをして大幅に遅れて到着する。
欲張りすぎないように。
稀に水に濡れたりして本が読めなくなることがあるらしい。
できるだけビニールで包んで梱包する。
また、万が一検品された場合、表紙の曲がりや帯の破れを予防することができる。
このように何冊かまとめて包装。
箱に詰めていきます。
箱詰めが終わったら、底が抜けないようにしっかりとテープを張る。
最後に、検品などで袋から箱が出されることがあるので、箱の上側に送り主の住所と送り先の住所を英語もしくは相手の国で通じる言語で記入します。
(例)
From:
1-2-3 , ○○Cho , ××-city , Osaka , Japan
To:
Nantokakova 5 , 12345 , Praha99 , Ceska Republika
まとめると…
- ビニールで梱包
- 底が抜けないように段ボールを補強
- 箱詰め
- 箱の上部に「送り主の住所」と「送り先の住所」を記入する
郵便局まで持っていく
箱詰めが完了し、住所を書き終えたら郵便局まで運んでいく。
しかし、特別郵袋印刷物の取り扱いをしている支店はだいぶ限られている。
こちらで確認。
窓口まで段ボールを運ぶと計測してくれるので、そこで送り先の国、発送方法(航空便、SAL便、船便)を伝える。
タグと、税関申告用の緑色の紙を渡されるので記入する。
こちらのタグには段ボールに記入したのと同じように「送り主の住所」と「送り先の住所」を記入する。
緑色の方は税関申告用。重量、内容物、合計金額、使用目的を記入。
合計金額は、かなりあいまいで正確な金額を記載する必要はないようで、おおよその目安でいいようだ。
使用目的の欄は、自分あてに送るのであれば、「Other」の欄に×印をつけて、「Personal Use」(個人で使用)と記載する。
最後に、一番下の段に日付と署名をする。
以上で発送のための手続きは終了だ。
まとめ
- 書籍を大量に海外に送るなら「特別郵袋印刷物」
- 基本的に荷物は雑に扱われるのでそのつもりで
- 制限ぎりぎりまで本を詰め込んだり、あまりにも大きいと税関で引っ掛かってややこしいので控えめに
- 本はビニールなどで梱包して段ボールに入れるとベター
海外では兎に角、娯楽となるものが少ない。そして日本語の活字が恋しくなる時が来る。
電子書籍はなんだか好かないという方は「特別郵袋印刷物」を利用してあなたの海外の本棚を充実させてみてはいかがだろうか。
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