昨今の吹奏楽部には悪しき習慣がある。
そのことに対して考えると下の動画の曲を思い出してしまった。
「俺はただのコピーのコピーのコピーのコピー…」
まさしく全国の吹奏楽部で繰り返される楽譜に対する冒涜、もとい犯罪を思い起こさせるような歌詞である。
吹奏楽部の悪しき風習
小学生の頃からギターを始め、中学卒業までは一人でギターと向き合って音楽をしてきた。
そんな状況が高校に入ると大きく変わった。
吹奏楽部に入ったのである。
自分の世界が広がり、様々なものをみることが出来たが、中にはあまりよろしくない吹奏楽部の悪しき風習も見てしまった。
繰り返される楽譜のコピー
合奏の曲目が決まるたびに部内に配られる楽譜。
俗に「コピー譜」と言われる譜面であった。
ここからは吹奏楽部の楽譜に関する実情をお話しする。
「原譜」と「コピー譜」
吹奏楽団ほどの大編成の編成であれば、物によれば一曲あたり数万円と非常に高額である。
そのため、一度部で購入した楽譜は自身の楽譜であるという証明となる楽団の判をおす。
判を押されたその楽譜は通称「原譜」と呼ばれ、通常はそれをコピーした通称「コピー譜」を部員に配布し、コピー譜で練習及び本番をこなす。
練習の過程で譜面に書き込みを行うことがあり、さらに本番ごとに違った演奏をすることもあるので、無論書き込まれる内容は異なる。
よって「原譜」オリジナルの状態で残し、実際に使用する際には「コピー譜」を使う。
この行為は少々グレーではあるが、倫理的にも範囲内と言えるだろう。
「原譜」と化す「コピー譜」
【注意】ここから先の内容は完全に倫理違反、そして犯罪である。しかし、吹奏楽部界隈では横行しているのが事実である。
部で演奏したい曲目が決まったが、その楽譜を部が所蔵していない場合、他の学校から楽譜を借りることがある。
そして、他校の「原譜」をコピーし、その「コピー譜」に判を押して自校の部の「原譜」としてしまう。少々複雑だが、以下の手口である。
- A高校がB高校に楽譜のレンタルを依頼
- 「B高校の原譜」をA高校がコピーし「コピー譜」を作成
- A高校がコピーした「B高校の原譜」に自校の判を押す
- 「B高校の原譜」のコピー譜が「A高校の原譜」になる
さらに、C高校がA高校から「原譜と化したコピー譜」を借り、その楽譜がコピーされる…
そうして学校の印が4校分押された自称「原譜」をコピーしたものを見たこともある。
「原譜」をコピーし「原譜」とすることの問題点
このように一枚の楽譜のコピーを続けると、たった一校だけ、どこかの学校が楽譜を購入してしまえば他の学校は楽譜を購入することなく楽譜を入手することができる。
このような犯罪行為が横行すると、楽譜の売り上げが2分の一から5分の1にまで減少することとなる。
すると、楽譜制作会社や編曲家の収入もコピーの数に反比例して減少していく。
繰り返されるコピーは、紛れもない著作権の侵害であり、犯罪行為であり、非道徳的行為であり、教育の現場で決して行われてはいけないことだ。
なぜ吹奏楽部の犯罪行為が黙認されているのか
少なくとも通っていた高校の吹奏楽部の部員はそういた「集団万引き行為」を当然のことと考えており、疑問を持つものはほとんどいなかった。
自身の犯罪行為に気がつけない理由
多くの人が吹奏楽を始めるタイミングは中学入学のタイミングだ。
その初期の教育、もとい洗脳が吹奏楽部界隈に悪しき風習を蔓延させる大きな原因の一つとなっているのではないだろうか。
中学に入学した12、3歳が法律に基づく倫理観を身につけているとは思えないし、仮に少し知識があったとしても、顧問の行っていることが違法行為、非道徳的行為であるとは思いもしないだろう。
そうして、非常識が常識にすり替えられた部員が高校に進学し、中学から吹奏楽をやっていたということで高校の吹奏楽部でも中枢を担うこととなり、高校から入学した部員も、中枢の部員がそういうならそれが当たり前なのだろうと納得してしまう。
顧問の教諭の言い分
どうやら、著作権法には「教育目的であればその限りではない」という抜け道があるのだそうだ。
部活動は教育目的であるから、著作権の侵害があっても不問であるという主張が主な主張のようだ。
まとめ
部員が気が付かないうちに犯罪に手を染め、吹奏楽界全体の萎縮を招いてしまっている。
吹奏楽界のことを思うのならば、学生諸君に犯罪を犯させないようにしたいのならば、知識と常識をもった大人がしっかりと指導してやらねばならない。
楽器の技術だけでなく、倫理観の指導も学生には重要なのではないのだろうか?
(詳しく知りたい方は、「楽譜コピー問題協議会(CARS)」のホームページを訪れてみてください。)
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