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【感想】ソードアート・オンライン ~最高のOP曲と物語のコンビネーション~ 【アニメ】

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原作のライトノベルやそのアニメ化にとどまらず、他作家によるスピンオフ作品制作およびアニメ化と、巨大なコンテンツとなった「ソードアート・オンライン」。

今回は、アニメ界での快進撃の原点となった「ソードアート・オンライン」第1期を振り返る。

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「ソードアート・オンライン」概要

放送期間:2012年7月~12月

原作:川原礫

監督:伊藤智彦

音楽:梶浦由記

アニメーション制作:A-1 Pictures

 

Cast

キリト:松岡禎丞

アスナ:戸松遥

ユイ:伊藤かな恵

リーファ:竹達彩奈

シリカ:日高里菜

リズベット:高垣彩陽

茅場晶彦:山寺宏一

 

世界初のフルダイブ型VRマシン「ナーヴギア」専用ソフトとして開発されたVRMMOゲーム「ソードアート・オンライン」。サービス開始直後、ナーヴギア開発者の茅場晶彦本人の口から、ログアウト及びプレーヤーの蘇生不可、ゲームオーバー=死であることが告げられ、プレーヤーは強制的にデスゲームへと参加させられる。

特徴

OP曲と物語の紐づけ

ソードアート・オンラインのオープニング曲は長いシリーズの中で様々登場しているが、中でも別格の存在感を放っているのが、1期1クール目のオープニング曲、LiSAの「Crossing field」だ。
楽曲も確かに素晴らしいものなのだが、一話での物語との強力な紐づけが成されていなければここまでの存在感を発揮しなかっただろう。

1話後半に、キリトやクラインをはじめとするプレーヤーは茅場晶彦にSAO内でのデスゲームを強いられることを告げられる。広場から飛び出したキリトは、命がけのゲームを生き抜く決意をし、遭遇したモンスターをソードスキルで倒す。

これから始まる物語を象徴するシーンの後、「Crossing field」が流れるわけだが、ここで曲を飛ばす人は少数派だろう。
1話は、ゲームのPV風の映像と壮大なオーケストレーションの音楽により始まる。一気に物語に引き込まれたかと思えば、間髪入れずにキリトはSAOにログインし、ゲームの世界が目の前に広がる。ひとしきり世界観の提示が終われば、ログアウトできないことが判明し、さらに、ゲーム内の死が現実の死を意味することを告げられる。
物語は1話の冒頭から最大の出力で加速し25分間走り抜けていく。
「Crossing field」が流れ始めたときには物語のパワーに圧倒されスキップする気力も湧かない。
物語のパワーが最大に達したところで流れる主題歌は視聴者にその時の印象を強く植え付ける。

毎回、オープニング曲が流れるたびに一話の興奮がよみがえり、視聴者は非日常を体験する。

このアニメを良作たら占めるのは「Crossing field」という素晴らしい楽曲と物語との結び付けにある。

あらゆる楽器を効果的に使用した劇伴

SAOはファンタジーを基にした世界観のゲームだが、その世界はフルダイブ型のVRで構築されたものだ。
最新のテクノロジーで作られた、中世を基盤にしたファンタジー。
その世界観を表現するためにヴァイオリンをはじめとするアコースティック楽器から、シンセサイザーまで利用している。

また、楽器の編成も多彩だ。
カメラを引いて世界全体を映す時には声楽と、オーケストラを用いた壮大な音楽。街中にクローズアップする際はヴァイオリンというよりはフィドルの様な趣の楽器を使用した、酒場の音楽を彷彿とさせる少人数の編成となっている。

また、幻想的なハープの音色や悲劇的なチェロの音色は物語をさらに深く印象付ける。

近年まれにみる様な気合の入った音楽だった。

総評

点数

脚本:8点/30点

演技:17点/30点

音楽:12点/15点

作画:12点/15点

背景:6点/10点

総合評価 55点/100点

脚本

1回目の視聴は1話の衝撃が強く残っており、冷静かつ客観的に物語を見ることはないのでかなり楽しめる。しかし、2回目以降に分析的に視聴しようとするとなかなか1回目と同じ興奮を持って視聴することは難しいだろう。

  • 無駄に死亡するキャラ、そしてあっさり復活

この物語では主要なキャラクターが死亡もしくは退場するシーンがあるのだが、安っぽいお涙頂戴展開の為だけに作者はキャラクターを死亡させる。
主たる例は、キリトとアスナの「娘」であるユイだろう。1クール目後半にデータ消去という形で物語から退場したのもつかの間、2クール目のオープニングであっさりと復活したと提示される。

アインクラッド編のクライマックス、茅場晶彦扮するヒースクリフとキリトの決闘でアスナとキリトはゲームオーバーとなり、死後の世界の様な場所で崩れていくアインクラッドを眺める。
二人の英雄の尊い犠牲により終焉を迎えると思い、涙すれば、1分後にはキリトの生存が理由もなく明かされる。
アスナの生存も、ユイの時と同じく2クール目のオープニングであっさりと明かされる。

物語を構築するうえで「死」という要素は物語に重みと感動の要素を付加するが、使い方を誤れば、視聴者をだまし、感動を押し付ける「感動ポルノ」とでもいうべき薄っぺらいものになってしまう。

  • 何の脈絡もなく登場する新キャラ

以前にも感想の記事を書いた「宇宙よりも遠い場所」では主要4キャラクターが実に自然な物語の流れで登場してくるのだが、このSAOではとってつけたかのようにキャラクターが登場し、その後の物語に特に影響を与えるわけでもなくキリトの取り巻きとなる。
どうにもこれがハーレム形成及び尺稼ぎに思えてならない。

  • 2クール目からのキリトと脚本の迷走

2クール目、一応は未だにとらわれ続けているアスナの救出劇ということになっているが、その目的はどうも曖昧なものになっている。
まず、ゲーム内で刑事事件を解決しようとするキリトは、長年SAOに閉じ込められていた影響で現実と虚構の違いが分からなくなっているとしか思えない。後に登場する、SAO事件対策を進める役所の人間に協力を仰いでいる描写も1期を視聴する限り見受けられない。
それどころか、ゲーム中で出会った新ヒロインと仲良くゲーム攻略をしていく。
キリトにとっての最優先事項はいったい何だったのか?緊張感に包まれたアインクラッド編からすると、どうも停滞した上に物語の方向性を失っているように見える。

  • 脚本の総評

勢いでごまかした結構雑なプロット。物語があまりにも肥大し、薄味の展開とドラマが続く。

まとめ

ソードアート・オンラインは1期、2期、各2クール、アリシゼーション4クールと、もはや大作の域に入っている。

1話ではまらなければこの長尺の物語を楽しむのは難しいだろう。
しかし、1話で作品の世界に引き込まれたらぜひ見てみると良いといった作品だ。

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